最近は note での執筆活動が主になっていて、こちらのBLOGはほとんど休止状態になっています。最初から明確に意図していたわけではありませんが、この in SPIRE はわたしの教えるところの中心的であり、かつ基本的な内容をまとめていくものとなっています。一方 note はというと、この中心的で基本的な教えが読者からの質問にどのように答えていくか、あるいは様々な書籍に書かれている情報をどのように読み解いていくか、といったことを展開していく場になっています。
冒頭に書いたとおり、当初は in SPIRE が主であり、note は副であったんですが、最近はそれが逆転しています。それも当然で、in SPIRE に書くべきことはもうあまり無いのですよね。その代わり、note のさまざまな記事の中でその内容に関連した in SPIRE の記事をリンクすることが増えています。つまり、in SPIRE は note の記事に対しての用語集や参考書としての役割を果たすようになっているのです。
……とはいったものの、基本的に in SPIRE に書いてきた記事はほぼすべて、あるときInspiration が降りてきて(このことが in SPIRE という名前の所以でもあります)書かされたものでもあります。note の記事にもそのような Inspiration がまったく働いていないというわけでもないのですが、こちらに書いている記事の前触れとなった Inspiration はどちらかというと "啓示" に近いものです。note の方は "閃き" とでも言えばよいでしょうか。ともあれ、記事の内容やその役割といったこととは別に、そのような扱いの違いもあるのです。
そして、こうして記事を書いているということは、つまりまたそうした Inspiration がやってきたということになります。その Inspiration の種類は明らかに "啓示" のほうでしたので、こちらに書くことにしました。ちなみに、こちらでは周波数や波動といった観点の話をする予定だと書いていましたが、結局書きませんでした。それはやってきた Inspiration にやや違和感があったからです。そのような観点の話はいずれ書くかもしれませんが、おそらくそのときは note に書くことになると思います。
"知覚をひらく" とは?
さて今回お届けするのは知覚をひらくためのエクササイズです。以前、IF(直感的フィールド)というものを紹介しましたが、これもそんな感じのものです。IF の狙いは肉体と一体化している心(自我)を肥大させることなく意識を拡大させることにありました。IF を実践していくと、知覚を肉体由来のもの(五感)だけでなく、その外側へと拡張し、全体性すなわちワンネスを感じとれるようになれるはずです。
今回紹介するエクササイズも、狙っているのはまさしくワンネスを知覚することです。その点では IF と同じではありますが、IF は主に意識レベル200台から400台の人をターゲットにしています。というのも、実をいうと IF がもたらす知覚は意識レベル500台に到達すると自然と身についてくるものだからです。つまり、500台の知覚をシミュレートすることによって意識をそのレベルへと飛躍させようというのが IF を実践する具体的な意味です。
さて、わたし自身の経験からいうと IF 的な知覚はおおむね意識レベル540までのものであり、それ以上のレベルになると知覚はより高次のものに変容していきます。これでお分かりかと思いますが、今回のエクササイズは意識レベル500台上部から600における知覚をそのままシミュレートし、これを身につけるための練習となります。つまり、IF をやって身についたという人が次に取り組むべきものと言えるでしょう。ですから、すでに意識レベル500に到達されている人はともかくとして、いまだ IF をやっていない、あるいはやってみてはいるがモノになっていないという人は IF を先にやりこんでください。
それではさっそくやっていきましょう。
基礎編:イマジナリードローンと接続する
まず、想像の中で小さくて高性能なドローンを作ってみてください。作るというと難しそうですが、要はそういうものがあると想像するだけでよいです。このドローンはほんの数センチくらいのものですが、カメラを装備していて、このカメラで撮影している映像をあなたの心に直接送信することができます。つまり、ドローンはあなたの眼が拡張された存在で、ドローンが見ているものをあなたは自分の眼で見ているように見ることができるとします。ちなみにドローンの形や色はなんでもよいですよ。
さて、ドローンができたら、まずはそのドローンにあなたの肉体の周りを飛行させてみましょう。もちろん想像のなかでやるんですよ。とりあえずあなたを中心に半径2mくらいの円を描くようにぐるぐる飛ばしてみてください。この時点では単にドローンが飛んでいる様子を思い浮かべてください。飛ぶ向きを変えたり、飛ぶスピードを変えたりしながら、イマジナリードローンを飛ばすことに慣れていきましょう。
次に、この周回飛行の状態のまま、ドローンのカメラをONにして、そのカメラが常にあなたを映し出すようにドローンを飛ばしてみましょう。ドローンのカメラがONになっているときは、カメラの映像があなたの見ているものになります。つまり、あなたは自分の姿を360度のアングルから眺めていることになるわけです。最初はなかなかうまく想像できないかもしれません。なにしろ、いままでは自分は見る主体であって、見られる対象ではありませんでしたからね。しかしこれからは、見る主体でもあり、見られる対象でもあるのです。
しばらく練習して慣れてきたら、ドローンをもっと自由に動かしてみましょう。ちなみにこれは想像のなかで行っているので、いまあなたが実際には屋内にいるとしても、そこではなく例えば広い草原のような場所にいると考えて構いません。色々な距離、高さ、角度からあなたはどのように見えるでしょうか?
ここまでが最初のエクササイズです。
今度は実際にいまあなたがいるその場所で、そのスペースが許す限りでなるべく離れた場所からドローンがあなたを見ているところを想像します。わたしであれば机の前で椅子に座ってキーボードを叩いているわけですが、その情景をドローンから観たとき、そこに映っているわたしはなにを見ていて、なにを感じていて、なにを考えているでしょうか?
もちろんその映像を見ているのもわたしなので、その映像を通さなくてもわたしには自分がなにを見てなにを感じ、なにを考えているかは知っています。このエクササイズで取り組むのは「あなた自身がいま見て感じ考えているものを映像から導く努力です」。一枚の写真を渡されて、そこに映っている人物がこのときなにを見てなにを感じなにを考えているだろうか? と聞かれたら、あなたは写真に映っている情報をもとにそれを想像しますね。それと同じことを自分自身のリアルタイムの映像を用いてやってみるというのがこのエクササイズです。
当然ですが、あなたは答えを最初から知っています。このエクササイズのポイントは、あなたが感じ、考えていることの大部分は、その場つまり環境に依存しているということを理解することです。そのことを、主観的な視点と客観的な視点の両方を比較・検証することによって、やがては自由意志の存在が揺らぎはじめることでしょう。
基礎編としてはたったこれだけです。次はいよいよこのエクササイズの本番です。
神の視点のシミュレート
厳密には肉体精神機構に宿った魂には神そのものの視点を知覚することはできませんが、可能な限りシミュレーションしてみましょう。そのためには基礎編のトレーニングが必須でした。
まずは外に出掛けましょう。場所はどこでもよいですが、人の多いところがよいです。誰でも構いませんので、誰か一人に注目してください。その人にはなにが見えているでしょうか? その人が歩いているなら、あるいは立ち止まっているなら、その人の肉体はいまどんな感覚を経験しているでしょうか? それらの情報(視界に見えているものや肉体感覚)から、その人にはどのような思考や感情がわき起こっているでしょうか? もしかしたらなにか考え事をしていて、周囲のことには気がいってないかもしれませんが、ひとまずはそういうことは考慮せず、あなたから見えている情報だけから、その人がどのような現実を経験しているかを想像してみてください。
ドローンのエクササイズがしっかりと身についていれば、客観的な情報だけで、その人の経験しているものをある程度正確に見ることができるようになるはずです。ポイントは観察するのではなく、その人になりきるということです。別の言い方をすれば、その人の意識をその人とともに経験するということです。あなたがなにを見ているかではなく、その人にはなにが見えているかです。これは決して観察眼を鍛えるトレーニングではありません。
そんなこと出来るわけがないと思われるかもしれませんが、これは可能です。なぜなら個人というのは幻想で、意識には本来、境界などないからです。テレパシーなどのいわゆる超能力が本当に存在するのも、このためです。あなたの肉体精神機構が経験していることを観ている主体と、その人が経験していることを観ている主体は同じひとつの意識です。これが真我と呼ばれているものです。
ともあれ、最初から他者の経験を知覚することはもちろんできません。ここでやっているのは「他者の経験を自分のものとして知覚できたとしたら、どんな感じだろうか?」というシミュレーションです。しかし、意識レベルが600を超えると実際にそうなるのです。
ちなみに、その人がもしあなたのいる方向を見ていたなら、当然ですがその人の視界にはあなたが映っているはずですね。その人にはあなたはどのように見えているでしょうか? そして、その人が見ているあなたはどんな現実を経験しているでしょうか? んん? と思われた方はわたしの書いていることを正しく読解できています。つまり、ここで言わんとしているのは、他者の現実に存在しているあなたは、あなた自身が経験している自分と同じものではないということです。
というのも、自我というものが幻想なので、自我が経験している現実もまた幻想です。幻想である自我が、幻想である別の自我を見ているという現実は、その自我だけの現実です。
これは以前に書いた
意識が世界を創造する(相互入れ子構造による宇宙の多重創造論) - in SPIRE 内なる声をきく
という記事に書いているのと同じ話です。このエクササイズでは、この記事に書かれていることをシミュレートしようとしています。
さて、一人の人を見つけてこうしたことを試みるだけでも大変ですが、慣れてくると自然にそのとき見えているすべての他者の現実を知覚することができるようになってきます。それとともに知覚の精度も増していきますから、例えばですが、あなたと話している相手が次になにを言うかとか、どんな仕草をするかといったことが前もって分かるようになってくるでしょう。
といっても、思考や感情を盗み見ることができるようになるということではありませんよ。そうではなく、誰にも自由意志はなく、ただ神によって与えられたプログラムによって自動的に動いているだけなのだということが、そのまま知覚として経験されるようになるということです。言い換えるなら、神の意志が森羅万象のすべてに働いていることを知覚できるようになるため、その神の意志が次になにを現象化するかもある程度分かってくるということです。そのときの感覚は "起こるべきことが起こるべきように起こっている" というものです。
練習の仕方としては、まず歩きながら、すれ違っていく一人の人物についてこれを行ってみましょう。時間はすれ違うまでのわずかな時間ですから、考えずに直感で感じる訓練にもなるでしょう。すれ違ったら、次はまた前方にいる誰かに注目します。こうして歩きながらどんどんやっていくのが最初はよいと思います。
ある程度慣れてきたら、今度は広場のようなところに行って、立ち止まりましょう。そして、その場にいる(あなたに見えている)すべての人の経験している現実を同時に知覚してみようと試みてください。まあこれはなかなかできませんが、それでも慣れていけばある程度できるようになるはずです。
さらに進むなら、その場にいるある人物の経験している現実における、その目に映っている別の人物の現実を想定してみてください。このやり方は鏡と鏡を向き合わせるように無限に可能ではありますが、エクササイズとしてはある人とその人の見ている別の人、というレベルまでで十分でしょう。これはエクササイズですが、目指すのは常時このように知覚できるようになることです。
最後の段階では、視点をあなたではなく、イマジナリードローンに切り替えてみましょう。つまり、あなた自身もその場にいる人物の一人として見るということです。これが部分的にですが、神の視点となります。
これが知覚できるようになれば、あなたは自己と他者という分離を超越したということです。それはつまり、二元性の超越です。この境地を覚醒とよび、それは意識レベル600で測定されます。
今回はこれでおしまいです。このエクササイズについては IF のように名前はつけません。また、エクササイズのやり方についても書こうと思えばもっと詳しく、かつもっとバリエーションを提案することも可能ですが、とりあえず今回はこれだけにしておきます。もしこのエクササイズについて質問がありましたら、質問箱に質問を投稿してくださいませ。
それではまた次の記事でお会いしましょう。読んでくださってありがとうございました。